安全保障関連法案の前に、政権の運営自体がすでに憲法違反なのでは

自民党:安保法案で報道批判続出…改憲派の勉強会

毎日新聞 2015年06月25日 23時45分(最終更新 06月27日 19時52分)

百田尚樹さん=共同

 安倍晋三首相に近い自民党の若手議員約40人が25日、憲法改正を推進する勉強会「文化芸術懇話会」の初会合を党本部で開いた。安全保障関連法案に対する国民の理解が広がらない現状を踏まえ、報道機関を批判する意見が噴出した。講師として招いた作家の百田尚樹氏に助言を求める場面も目立った。

(1) ◇議員「マスコミこらしめるには広告料収入なくせばいい」

 出席者によると、百田氏は集団的自衛権の行使容認に賛成の立場を表明した上で、政府の対応について「国民に対するアピールが下手だ。気持ちにいかに訴えるかが大事だ」と指摘した。

 出席議員からは、安保法案を批判する報道に関し「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」との声が上がった。

 沖縄県の地元紙が政府に批判的だとの意見が出たのに対し、百田氏は「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と主張した。

 懇話会は木原稔青年局長が代表で、首相側近の加藤勝信官房副長官萩生田光一・党総裁特別補佐も参加した。

 出席者の発言について、自民党中堅は「自分たちの言動が国民からどのような目で見られるか理解していない。安保法案の審議にマイナスだ」と指摘。公明党幹部は「気に入らない報道を圧力でつぶそうとするのは情けない」と苦言を呈した。

(2) ◇報道・表現の自由への挑戦

 琉球新報社の潮平芳和編集局長の話 百田氏が何を論拠にしたのか明確ではないが、「つぶさないといけない」という発言は沖縄2紙のみならず、国内のマスメディア全体の報道・表現の自由に対する重大な挑戦、挑発である。沖縄の現状を全く理解しておらず、残念である。琉球新報は今後とも不偏不党、言論の自由を重んじ、公正な取材活動と報道に努める。

(2)◇断じて許すことできない

 沖縄タイムスの崎浜秀光編集局次長の話 安全保障関連法案は「憲法違反」との指摘が相次ぎ、反対する世論の広がりに対するいら立ちが(百田氏の発言に)出たと言わざるを得ない。70年前の沖縄戦で、沖縄は本土の「捨て石」にされた。「中国に取られれば目を覚ますはずだ」との発言は、再び沖縄を捨て石にしようとする発想で、断じて許すことができない。(共同)

◎小渕議員の政治資金の問題がなぜ、特捜部が不起訴にしたのか。政権の圧力がありそうだ。小渕議員自身も選挙で当選しても、良心にしたがって辞職すべきである。

自民党、在京キー局に「圧力文書」――アベノミクス酷評に激怒?

衆院選の公示が迫る中、自民党が2012年11月20日、在京テレビキー局各社に対して「選挙報道に偏りがないように」とする内容の申入れを文書で行っていたことがわかった。独立メディアなどが27日に報じ、文書の画像がネット上で拡散するなど、話題となっている。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

■報道内容に圧力、4項目文書名は「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」。萩生田(はぎうだ)光一・筆頭副幹事長、福井照・報道局長の連名で、各テレビ局の編成局長、報道局長に宛てている。この中で、2日公示の衆院選をめぐる報道について「特に衆院選は短期間であり、報道内容が選挙の帰趨に大きく影響しかねない」と懸念。

その上で(1)出演者の発言回数と時間の公平を期すること(2)ゲスト出演者等の選定も公平、公正を期する(3)テーマについて特定の立場からの意見の集中がないようにする(4)街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、特定の立場が強調されないようにすること、を求めている。

文中には「公平」「公正」という単語が繰り返し登場。しかしいずれの項目も、政権与党が報道や番組自体に介入し、自らの希望に沿った報道を行うよう、実質的に圧力をかける内容だ。

■安倍首相、街頭インタビューに激怒?申入れに先立つ2日前の18日夜、安倍首相はTBSの報道番組「NEWS23」に出演。その際、アベノミクスの評価に関する街角インタビューの映像で、「全然効果を感じない。(効果は)大企業にしか分からないのでは」などと酷評する市民が登場した。これに対して安倍首相は「(取材対象を)選んでいると思いますよ」などと色をなして反論。要望(4)は、こうした報道内容に対してクギを刺したものと言える。自民党幹事長室の担当者は27日、「申入れを行ったのは事実」と話した。

◎沖縄の基地問題でも、辺野古受け入れの前知事と反対の現知事とで、政府の対応の違いは差別的である。あたらしく基地を新たにお願いするなら、きちん韓国と話合うべではないか。聞く耳を持たない姿勢は沖縄に対する偏見があるのではないか。同じ日本国民とは思えない。

◎韓国との関係も、きちんと対応すればこのような状況になっていなかった。アメリカに仲介して外交をしなければならないほど、日本の國として恥ずかしいことはない。

◎日本はロシアをどのように見ているのか、日米関係にも影響を与える。ウクライナ問題で、欧米側に立ったのだから、制裁をさらに強化して、中国の動きも封じるのが常道であると思う。なのに、ロシアと関係をつくることの意味はあるのか。ロシア国内は、北方四島の領土を日本に返還することはまずない。もし、これをしたらウクライナ問題の正当性がなくなる。漁業についても制限法案が通り、プーチン大統領が署名すれば成立する。日本がロシアとの関係で求められるのは、資源の輸入と製品の輸出で、来日要請に応えてれば、今度は欧米から叩かれる。日米同盟強化をアメリカで表明して、ロシアと交渉すれば、欧米の制裁に水を差すことになる。いっぽう、ロシアと中国は共通の問題を持ちながら、両者の覇権あらそいがある。そこで日本をうまく使いたいのがロシアのおもあくで、思慮の足らない安倍政権は再び、地雷にのせられ、動きがとれない状況にある。軍事的にも最近は方法からロシアの偵察行動が増えてきている。それ以上に中国の日本近海での動きは倍かしている。これらのことも、原因は安倍政権が作りだした外交にある。