選挙対策、この分を雇用対策の費用に充てた有効

若者に商品券? 消費拡大の効果はあるのか

THE PAGE 4月3日(日)7時0分配信

  •  政府が景気対策の一環として若年低所得者層向けに商品券の配布を検討しているそうです。夏の参院選を控えた選挙対策との見方がもっぱらですが、効果はあるのでしょうか。

 産経新聞の報道によると、政府は2016年度補正予算の目玉として、若年低所得者層向けの対策を検討しているそうです。1月に2015年度補正予算が成立したばかりで、かなり先の話ですが、このタイミングでこうした記事が出てきたということは、政府が選挙を意識した結果と考えられます。

 これまでの低所得者向けの施策は、主に高齢者を対象としていました。2015年度の補正予算では、低所得の高齢者に対して1人当たり3万円を配る措置が実施されましたが、今回、検討されている施策は、これを若者向けにアレンジしたものとなります。若者は高齢者に比べて消費ニーズが高く、しかも配布される予定となっているのは商品券なので、とりあえずは短期的な消費拡大の効果は得られそうです。ただこうした施策が若者の消費を根本的に回復させるのかどうかはまた別の話でしょう。

 総務省によると、2016年1月における家計の実質消費支出(二人以上の世帯)は前月比マイナス0.6%でした。日本の家計は過去2年間、ほぼ毎月、前月割れが続いており、消費の低迷が深刻となっています。消費が低迷する最大の理由は、家計の実質所得が減少しているからです。政府による賃上げ要請もあり、一部の大企業は賃上げを実施しましたが、社会全体ではまだ十分とはいえません。また物価の上昇が賃上げに追い付いていないため実質的に給料が下がっており、先行きへの不安から皆、消費を控えていると考えられます。

 商品券を配れば、一時的に消費は増えますが、恒久的に所得が増えないという状況に変化はありません。したがって、その効果は一時的なものにとどまり、今後の継続的な景気拡大にはつながりにくいでしょう。

 先頃、「保育園落ちた日本死ね」というブログが政治問題化しましたが、結婚している世帯にとっては、子育て支援が重要ですし、単身世帯にとっては、給与や職場における待遇の方がより関心の高いテーマであると思われます。しかし、こうした施策の実施には時間がかかりますし、利害関係者との調整という難題も待ち受けています。

 選挙を前にした政権としては、多少バラマキという批判が出てきたとしても、即効性のある施策が必要との判断があるのかもしれません。ただ、投票率の低い若年層が、商品券をもらえるからといって選挙に行くのかは疑問だという声も、一部から出ているようです。
※こそくな政策は逆に反感、投票には結びつかない。待機児童問題しかり、政府の受け止め方が甘すぎる何事も抜本的な解決策をどんどんやらなければ、例えば若者については特例以外のい非正規雇用の禁止とか。18~40歳までは3年間のインターシップ期間を経て正規採用を義務づけるなど大胆な規制改革をすることも必要。規制は緩和だけでなく、強化も必要である。
(The Capital Tribune Japan)