自動車生産の減少がこれからの経済に影響
自動車国内生産、11カ月ぶりマイナス 7月2.2%減
乗用車8社、増税駆け込み反動や受注残一巡で
国内乗用車8社が28日まとめた7月の国内生産実績(速報値)は合計で前年同月比2.2%減の84万2430台となり、11カ月ぶりに前年実績を下回った。消費税率引き上げによる販売減の影響を受けたほか、増税前に積み上がった受注残に対応する生産が6月までにほぼ一巡したことも前年割れにつながった。
国内 生産 |
海外 生産 |
輸出 | 国内 販売 |
|
トヨタ | 307356(▲3.7) | 472467(9.5) | 176013(5.0) | 147129(▲2.4) |
日産自 | 79267(▲22.5) | 286181(4.8) | 43417(▲27.3) | 55716(▲10.3) |
ホンダ | 84898(27.9) | 278599(2.2) | 2754(▲74.1) | 70971(23.7) |
スズキ | 91473(4.9) | 166677(8.7) | 12952(▲4.5) | 65486(7.5) |
三菱自 | 62174(1.3) | 49989(▲3.2) | 34721(9.6) | 9655(▲27.6) |
マツダ | 83818(▲5.9) | 40063(69.1) | 66017(7.6) | 15472(▲24.9) |
ダイハツ | 66597(▲15.2) | 25521(24.1) | 714(▲2.6) | 48637(▲16.0) |
富士重 | 66847(16.2) | 9386(20.9) | 47793(15.0) | 14949(▲9.4) |
合計 | 842430(▲2.2) | 1328883(7.7) | 384381(▲0.6) | 428015(▲2.6) |
(注)単位:台、カッコ内は前年同月比増減率(%)、▲は減。ダイハツの海外生産はマレーシア子会社プロドゥア社の生産を除く。
国内生産はトヨタ自動車や日産自動車など4社が前年実績を下回った。日産自は消費増税に加え、多目的スポーツ車(SUV)「ローグ」の生産を昨年10月に米国へ移管した影響もあり、生産台数は22.5%減の7万9267台にとどまった。国内販売が苦戦しているダイハツ工業も15.2%減った。「6月までに受注残が解消した」(広報担当者)という。
海外生産は三菱自動車を除く7社が前年実績を上回り、トヨタやホンダ、スズキなど6社が7月として過去最高の台数を生産した。8社合計では7.7%増の132万8883台を確保。マツダは1月に稼働を始めたメキシコ工場の増加分が寄与し、海外生産の伸びが69.1%増と、8社中で最大だった。トヨタや日産自は北米などで生産を伸ばした。
この結果、8社合計の世界生産台数は3.6%増の217万1313台となった。消費増税による国内の苦戦を、海外の増産で補う構図が浮き彫りとなった。