今回の都知事選挙の結果がいみするものは

政党が推薦、支持した有力候補が敗れ、結果的に無所属、党の支援を受けない候補が当選した。各地方自治体の首長は、与野党相乗りの方もいる。それが意味するものは、一つは一政党に縛られることなく自由に自分の考えを実現するには、無所属で住民の多数の意見を聞き入れる首長が望ましいのかもしれない。

 都民はがなぜ小池氏を都知事に選んだのか、実は誰も積極的に入れたい候補がいなかったのではないか。小池氏の姑息な立候補のしかた。当然、自民党にしては勝手な行動であり、組織を乱す行動である。だから都連は怒り、党本部は前面にはでず安倍首相が対抗馬を立てて潰しかった。もう少し時間があればよかったのだが、舛添氏の粘りが効かず、準備不足で負けてしまった。

 また、自民党のやり方にも自民党支持者の反発もあり、また安倍政権に対する不満の表明もその中にあったのだと思う。一強多弱の政界に対する都民の不満も集積されている。

 一番の犠牲になったのは、増田氏である。自民党のために、自公の推薦候補として突然、押されてしまった。公明党は70%近くの党員が投票してくれたが、自民党支持者は半数にも届かない状況であった。本来の見方がここまで反旗を翻したのでは勝てる状況ではない。まさに都議会自民党にとっての屈辱いがいのなにものでもない。増田氏は今後、自民党から国政で活躍の場をもらえると思う。

 では野党相乗り候補の鳥越氏であるが、一番の問題は年齢の問題で他の候補のような迫力がなかった。また、民進党がまとまらない状況が露呈したことや共産党からの出馬するはずだった宇都宮氏が突然おろされたことで、彼の支持者は鳥越氏支持には向いていない。つまり、野党の方も全野党がまとまっていれば、得票数は小池氏と競るものになっていたはずである。

 しかし、どこの政党候補を支持するにも帯に長し、襷に短しであったので、その票をうまく集めたのが知名度、政治経験が長く、見せ場づくり上手い小池氏であったのであろう。

 しかし、小池氏の動きしだいで、都民は手の裏を返すこともある。それは自民党との関係である。小池氏が自民党にすり寄ることがあれば、猪瀬氏、舛添氏の二の舞い、三の舞になる。自民党との一線を画すことが求められる。でなければ小池氏の一連の動きは自民党政権の計算の中にあったことになる。つまり、都民をだます猿芝居ということになる。小池氏が自民党にもどりやるようなことになれば、来年の都議選は自民は大敗するでしょう。反自民の色を消さないで都政に望むことが都民の負託にこたえることだと思う。