日本の不動産融資に誘発されるアメリカの米国債バブル崩壊がおこるのか

不動産融資、最高の7兆円=マイナス金利で、日銀は過熱警戒―16年度上期

時事通信 11/16(水) 16:19配信 日銀は16日、銀行や信用金庫の不動産業向けの新規融資額が、2016年度上半期(4~9月)に前年同期比14.7%増の7兆706億円に達したと公表した。バブル期を含めて上半期としての過去最高を2年連続で更新した。マイナス金利政策の影響で、不動産関連企業の借り入れが活発化しているためだ。日銀は不動産市場の過熱につながらないか警戒している。

 新規融資額は、都市銀行地方銀行など139行と265信用金庫の合算。銀行は16.8%増の5兆8943億円、信用金庫は5.4%増の1兆1763億円だった。東京五輪パラリンピックに向けた首都圏の再開発や、不動産投資ファンドに対する融資が伸びたほか、節税目的で賃貸住宅を建設する個人への貸し出しも増加した。

 企業の設備投資が勢いを欠く中で、地価上昇などを背景に資金需要が伸びている不動産業界は、金融機関の数少ない有望な貸出先になっている。ただ、「積極的な融資が不動産への過剰投資を後押ししている」(民間信用調査会社)として、バブル発生を招かないか懸念する声も出ている。

※ 日銀の異次元緩和は2013年4月からスタートして当初2年継続すると言われていましたが、最近では「2%のインフレ率が安定して継続するまで」と表現を変えています。消費税増税によって2%のインフレ率達成が難しくなっていますから、日銀が2015年前半に異次元緩和を終了する見込みは有りません。むしろ、不景気で物価が下落すれば「躊躇なく緩和拡大に踏み切る」でしょう。

■ バブル崩壊10年説 ■

アメリカのバブル崩壊はほぼ10年周期で発生しており、その規模は拡大しています。

1990年頃・・・・アメリカの不動産バブル崩壊
2000年頃・・・・アメリカのITバブルの崩壊
2007年・・・・・サブプライム危機
2017年・・・・・???

それぞれのバブルの原因は、「強いドル政策」による米国への資金流入でした。バブルの膨らんでいた時期は、ドル高による実質金利高が世界の投資マネーをアメリカに引きつけています。

■ 第二次世界大戦の戦時国債の呪縛という妄想 ■

尤も、アメリカの10年周期のバブル崩壊の原因は、太平洋戦争によって大量に発行された戦時国債の償還が絡んでいるのでは無いかと私は妄想しています。戦後の金融抑圧政策によって戦時国債を上手に長期国債に借り換えしたアメリカですが、どうも、長期国債の大量償還時期になると、ニクソンショックが起こされたりしてドル安政策になったのでは無いか。その余波がずっと継続して、アメリカは10年周期でドル安とドル高を繰り返して、米国債の償還コストを削減しているのでは?・・・これは妄想に過ぎませんが・・・。
■ バブルになる市場はどこか・・・・ ■

今回、アメリカに資金還流が起きた場合、バブル化する市場はどこでしょうか?
 住宅市場はアメリカの実体経済に大きな比率を占めるので、資金流入の受け皿としては理想的ですが、サブプライムショックやリーマンショックの原因になったので、バブル化する程過熱するかは疑問です。

商業不動産市場は2017年の底打ち目指して目下下落の真っ最中ですリーマンショックによってアメリカの消費の主体である庶民の購買力が低下してしまったので、消費が急激に回復するとも思えません。
 株式市場は、直ぐに過熱しそうですが、バブルという言葉がチラチラする状況では、継続性に疑問が残ります。

シェールガス大阪ガス住友商事が巨額の損失を出している事などから、そろそろ開発バブルが弾けるのでは無いでしょうか?

残るは米国債ですが、中東や極東、ウクライナなどで軍事的緊張が高まれば、「有事のドル買い、米国債買い」が復活するかも知れません。

アメリカの財政赤字の膨らみ具合を見ても、米国債の需給改善と金利の抑制はアメリカに取ってメリットは大きいでしょう。

「ゆうちょ」や「かんぽ」を始めとして、地方銀行なども金融庁が日本国債偏重を指摘している中で、運用力の無いこれらの金融機関は米国債運用を増やして行きそうです。同様に農林中金や年金の積立金、生保各社も米国債による運用を高めそうです。

■ 米国債バブルの崩壊は起こり得るのか? ■

ところで、「米国債」が「バブル化」するとはどの様な状況になるのでしょうか?

バブルとは正常な需給関係を越える需要が発生する事によって起こります米国債がバブル化すれば米国債金利が低下します。要は利幅の薄い投資になるのですが、ドル高が進行している間は為替差益による実質金利の上昇がこれを補います。
 一方、ドル安傾向が顕著になった場合、米国債による含み損が拡大するので、外国の投資家達は米国債を手放そうとします

これが急激に発生すれば、「米国債バブルの崩壊」となるでしょう。
ただ、起きる起きると言われ続けて、起こらないのが米国債危機やドル危機。